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サラリーマン大家が法人化するベストタイミングはいつか
法人スキーム

サラリーマン大家が法人化するベストタイミングはいつか

副業禁止のサラリーマン大家が、2棟目購入のタイミングで法人化を決めた実体験から、法人化のベストタイミングを解説。年収・家賃収入・棟数の目安と、早く動くべき理由をリアルな数字で書きました。

「いつ法人化するべきか」――この問いに、誰もが納得する正解はない。

ただ、サラリーマン大家として2棟目を法人で買い、法人融資で3棟分の契約を流したあとに通った経験から、私なりの現実的なベストタイミングは見えてきた。

結論から書くと、**「2棟目を買うと決めた瞬間」**が、サラリーマン大家にとってのベストタイミングだと思っている。理由を、判断軸とリアルな数字で書いていく。

一般論で語られるタイミング3つ

不動産投資の本やブログで、法人化のタイミングはだいたい次の3つの基準で語られる。

①個人の課税所得が900万円を超えたとき

個人の所得税は累進課税で、課税所得900万円を超えると所得税率が33%(住民税10%と合わせて実効43%)に跳ね上がる。一方、法人税の実効税率は約23〜25%。手取り差で見ると、所得900万円ラインが法人化の損益分岐点として語られることが多い。

②家賃収入が年1,000万円を超えたとき

消費税の課税事業者になる基準(年間1,000万円)が一つの区切り。法人化することで売上のリセットができ、消費税の納税義務を一定期間先送りできるメリットがある(ただし2023年以降のインボイス制度で扱いは複雑化している)。

③3棟目以降を買うとき

「個人の融資枠が頭打ちになるから、法人で買い増す」というロジック。1棟目・2棟目を個人で買い、属性を使い切ったあとで法人に切り替えるパターン。


教科書的にはこの3つが定番だ。でも、サラリーマン大家の現実に当てはめると、どれもしっくりこない部分がある。

私が選んだのは「2棟目を買うと決めたとき」

私の場合、1棟目は個人名義の築古戸建て、2棟目は法人名義の木造アパート(築13年・10戸・8,300万円)で買った。法人化を決めたのは、2棟目の物件を本格的に探し始めた時期だ。

このタイミングを選んだ理由は3つある。

理由1:法人融資は最初の1件目が一番きつい

法人を設立してすぐの法人は、決算実績がない「まっさらな状態」だ。金融機関から見ると、過去のデータがないので融資判断がしにくい。

私自身、法人で融資を申し込んで3棟分の契約を流した経験がある。すべて契約書まで進んだうえで、最後に融資が下りずに白紙になった。

これは法人化を遅らせて1棟目をすぐ買おうとしたら避けられない壁だ。**「最初の法人融資を引くまでが最大のハードル」**だと割り切って、早めに法人を立ち上げて実績を積み始めるのが結果的に近道になる。

理由2:所得税のインパクトを2棟目から取り切る

サラリーマン大家の場合、個人で2棟目を買うと家賃収入がそのまま給与に上乗せされる。本業年収が1,000万円前後の層なら、課税所得が900万円ラインを軽く超えてくる。

私の物件で言うと、表面利回り10%・年家賃830万円。経費・空室・減価償却を引いても、税務上の所得は数百万円単位で発生する。これを個人で受けると、税率43%が乗っかる。

法人で受ければ実効23〜25%。1棟分の所得で年20〜80万円規模の税差が出る。25年保有するなら、累計500万〜2,000万円の差になる計算だ。

これを2棟目から取り切るには、2棟目の購入と同時に法人化するのが一番効率がいい。

理由3:副業規制に対する「説明可能性」

これはサラリーマン特有の話だ。

会社の副業規制は会社によって幅があるが、多くの場合**「事業的規模の不動産賃貸」**は届出義務やトラブルの種になる。私は会社が副業を厳しく見るタイプで、できるだけ会社にバレないスキームを取りたかった。

そこで選んだのが妻名義の法人だ。妻を代表取締役にして、私は出資者・株主として99%を保有。意思決定はすべて私が握りつつ、会社側から見たら「妻が法人の代表をしている」という形になる。

このスキームを成立させるためには、法人設立の段階から税理士・司法書士と連携して動く必要がある。物件を見つけてから慌てて作る、では間に合わない。

早めに法人化する3つの実利

ここまでを整理すると、サラリーマン大家が早めに法人化する実利は3つに集約される。

項目早めに法人化する効果
融資決算実績を積めば、法人融資のハードルが下がる
節税所得を法人に分散できる年数が増える
スキーム妻名義・出資比率など、設計の自由度が高い

逆に、3棟目以降に法人化を遅らせると、これらすべてが圧縮されてしまう。

「法人化を急がない方がいい人」もいる

ただし、全員が早期法人化すべきとは思わない。

  • 本業年収が500万円以下: 個人の所得税率が低いので、法人化のメリットが薄い
  • 物件を1棟しか買わない予定: 設立コスト(登記費用・税理士費用)の方が高くつく可能性
  • 手元の自己資金が極端に少ない: 設立費用と運転資金の確保が先

私の場合、本業年収・自己資金・買い増し意欲のどれも法人化に向いている条件が揃っていたので、迷わず動いた。自分の状況がどこにあるかを見極めるのが先だ。

動き出すべき具体的なステップ

「2棟目を買うと決めたら法人化」と書いたが、具体的には何から動けばいいか。実体験ベースで書くとこうなる。

  1. 不動産に強い税理士を探す:法人化の損得シミュレーションを最初にやってもらう。税理士紹介サービスを使うと、不動産特化の税理士に最短で当たれる
  2. 法人スキームを設計する:誰を代表にするか、出資比率、決算月、業種コード。ここで会社設計の8割が決まる
  3. 法人を設立する:定款認証・登記。最近はオンライン設立サービス(freee会社設立、マネーフォワード会社設立など)で、費用も時間も大幅に短縮できる
  4. 設立後すぐに金融機関巡回:融資打診と法人口座開設。決算実績ゼロでも、「これから物件を買う前提の法人」として顔を売っておく
  5. 物件選定を本格化する:法人の与信が動き始めたら、いよいよ物件探し

このステップに乗れば、2棟目の購入から逆算しても3〜6ヶ月前に動き始めるのが理想だ。

まとめ:迷っているうちに動いた方が早い

法人化のベストタイミングを一言でまとめると、**「2棟目を買うと決めた瞬間、または1棟目の運営が安定して買い増し意欲が出てきた瞬間」**だ。

私自身、もう一度同じ判断をするなら、もう半年早く動いていた。法人融資で3棟流した経験は、もっと早く法人化していれば回避できた可能性もある。

「いつかは法人化」と思っているなら、その「いつか」を今日決めてしまうのが、結果的に一番安い。

法人化に関する具体的な判断軸は、別記事「2棟目で法人化した判断軸3つ」でも書いているので、合わせて読んでもらえると参考になると思う。

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さる

副業禁止のサラリーマン大家 / 法人スキーム実践中

30代の会社員。築古戸建で個人購入 → 妻名義法人で2棟目を取得。 法人融資で3棟分契約解除という授業料を払った経験から、 融資・節税・物件管理の「数字と戦略」をリアルに発信しています。

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