不動産投資で税理士は必要か|法人化した大家が顧問契約して気づいたこと
法人化した大家が、月額15,000円で税理士と顧問契約した1年間の実体験。何を任せて何を任せないか、不動産に強い税理士の選び方、探し方の3パターンを正直に書いた。
副業禁止の会社員として本業を続けながら、妻名義の法人で不動産投資をしている「さる」と申します。
2025年、法人を立ち上げて数ヶ月後に、私は税理士と顧問契約を結びました。月額15,000円、決算料は月額の4ヶ月分。年間で言うと、ざっくり24万円ほどのコストです。
法人化を考えている人からよく聞かれる質問が、これです。
「不動産投資って、本当に税理士が必要なんですか?」
freeeも会計ソフトとしては優秀ですし、ネットで調べれば法人決算のやり方も出てきます。月数万円の固定費は、家賃収入1ヶ月分が消える計算なので、入れるかどうか迷う気持ちはよく分かります。
結論から言うと、私は 法人化したなら、税理士は最初から入れたほうがいい と思っています。理由を、1年顧問契約を続けてみて気づいたことベースで、正直に書いてみます。
結論:法人化と同時に税理士を入れたのは正解だった
「儲かってから税理士を入れる」ではなく、「法人を作るタイミングで一緒に入れる」――これが私の結論です。
理由は3つあります。
- 法人決算は、個人の確定申告と難易度が桁違い
- 「経費にできるかどうか」を毎月相談できる相手の有無で、判断スピードが全然違う
- 融資審査で見られる決算書の作り方は、後から修正がきかない
特に3つ目は、後から効いてきます。決算書は金融機関に渡す「履歴書」のようなものです。これから何棟も買い増していくつもりなら、初年度の決算書から「金融機関に評価されやすい形」で作っておかないと、3年後・5年後に必ず後悔します。
顧問料のリアル:月額15,000円+決算料4ヶ月分
数字をそのまま書きます。
| 項目 | 金額 |
|---|---|
| 月額顧問料 | 15,000円 |
| 決算料 | 月額×4ヶ月分(60,000円) |
| 年間トータル | 24万円ほど |
「不動産1法人・物件数も少ない」段階としては、わりと標準的なラインだと思います。物件数が増えれば顧問料も上がっていくのが普通ですが、設立直後の最低ライン、と思ってもらえれば。
ちなみに、私が法人を作る前に複数の税理士事務所に話を聞いたとき、見積もりは月額1万〜3万円とけっこうばらつきました。安いところが悪いというわけではなく、対応してくれる範囲(記帳代行を含むかどうか・面談頻度・年末調整の有無など)でかなり差が出ます。
「月額いくら」だけで比較しても意味がない、というのは早めに気づけて良かったポイントです。
顧問税理士に実際に何を任せているか
これも具体的に書いておきます。1年契約してみて、私が顧問税理士にお願いしているのはざっくりこの3つです。
①領収書・請求書の丸投げ
私は、本業を持ちながら不動産運営をしているので、freeeに毎月コツコツ仕訳を入れる時間はありません。
なので、領収書や請求書は クラウドストレージに月ごとにまとめてアップするだけ にしています。それを税理士事務所側で記帳してもらい、月次の試算表が上がってくる、という流れです。
最初は「自分でやらないと法人運営の感覚がつかめないのでは」と思っていましたが、本業との両立を考えると、ここを丸投げできる体制にしておかないと、副業大家は続きません。
②「これ経費にしていいですか」の即レス相談
これが、月額15,000円の中で一番リターンが大きい部分です。
たとえば、
- 物件を見に行った遠征の交通費・宿泊費
- 不動産関連の書籍代
- セミナー参加費・懇親会費
- 自宅兼事務所の家賃按分
- 家族との打ち合わせ食事代
このあたりは、「経費にできるかどうか」が状況によって変わります。グレーラインに踏み込みたいときに、即レスで相談できる相手がいるかどうかは、想像以上に大きい。
私はチャットで相談できる契約にしているので、「これ経費OKですか?」と投げると、だいたいその日のうちに返事が来ます。これが個人で確定申告していた頃にはなかった安心感です。
③融資を意識した決算書の作り方
これが一番の本命です。
不動産大家にとって決算書は、「来年・再来年も融資を引けるかどうか」を決める書類です。利益を出しすぎても税金が増えるし、出さなさすぎると今度は金融機関の評価が下がる。
このバランスを取ってくれるのが、不動産に強い税理士の本領です。
私の場合は、
- 役員報酬の設計(妻代表のため、最低限のラインで設定)
- 減価償却の取り方
- 修繕費か資本的支出かの判断
- 期末の利益調整
このあたりを、決算の3ヶ月前くらいから一緒に組み立ててもらっています。
「節税」という言葉でひとくくりにされがちですが、本当に大事なのは 節税と融資評価のバランス取り で、ここはネットの記事を読むだけでは絶対に身につかない領域だと思います。
不動産大家が税理士を選ぶときの2つの軸
ここからは、税理士選びの話です。
私が複数の事務所と話した上で、最終的に判断軸にしたのは2つだけでした。
①不動産投資の経験・実績があること
これは最低条件です。
税理士は資格上どんな業種でも見られますが、不動産特有の論点(減価償却・借入金利息・修繕費の扱い・消費税の還付スキーム・個人と法人の使い分け)は、経験がないと判断が鈍ります。
面談で「過去に不動産大家を何件くらい見ていますか」「うちの規模で、よくある決算上の論点ってありますか」と聞いたときに、スラスラ具体例が出てくるかどうか。ここで、知識レベルがほぼ判断できます。
②きちんと相談ができる相手か
これも大事です。
税理士は、ある意味で「家族のお金の話を全部知る相手」です。法人の数字だけでなく、個人の収入・家族構成・将来設計まで踏み込んだ相談をすることになります。
そのときに、
- こちらの質問にちゃんと向き合ってくれるか
- 分からないことを「分からない」と言ってくれるか
- 提案を一方的に押し付けてこないか
この感触を、契約前の面談で必ず確認するようにしました。「料金が安いから」だけで決めると、あとで相談しづらくて結局質問しなくなる、という典型パターンにハマります。
税理士の探し方は3パターン
私が実際に試した、税理士の探し方は3つです。
①ネット検索・税理士紹介サービス
一番ハードルが低いのがこれです。
「不動産投資 税理士 〇〇(地域名)」で検索すれば、不動産特化を謳う事務所がいくつも出てきます。最近は税理士紹介サービスも整っていて、希望条件を伝えると、複数の税理士からまとめて見積もりが来ます。
特に 不動産投資が初めて・どこから探せばいいか分からない という人は、紹介サービスを通して2〜3人面談するのが近道です。私自身、最終的に契約した税理士はネット経由で見つけた人でした。
②不動産業者・金融機関の紹介
これは「ハマればベスト」なルートです。
物件を仲介してくれた業者や、融資を出してくれた金融機関の担当者に「税理士を紹介してもらえませんか」と聞くと、不動産大家の顧問経験が豊富な税理士を紹介してもらえることがあります。
ただし、業者と税理士が癒着気味だと、こちらの不利益になるアドバイスをされるリスクもあります。「紹介してもらった人=必ず契約する」ではなく、あくまで候補の1人として面談するくらいの距離感が安全です。
③知人・先輩大家からのつて
最後がこれです。一番信頼できる反面、一番タマ数が少ないルートでもあります。
すでに不動産投資をやっている知人がいるなら、「使っている税理士、紹介してもらえる?」と聞くのが手っ取り早いです。実績ベースで信頼できますし、相性のミスマッチも起きにくい。
私の周りにはタマ数が少なかったので、結局メインルートにはなりませんでしたが、SNSでつながった大家さん経由で紹介を受けた、という話もよく聞きます。
まとめ:税理士は「コスト」ではなく「拡大の装備」
法人化したばかりの頃は、月額1万円台の固定費でも重く感じます。家賃収入が出る前なら、なおさらです。
でも、1年顧問契約を続けてみて思うのは、税理士は コストではなく装備 だということ。
決算書をきちんと整え、融資評価につなげ、領収書整理から解放されて本業と物件運営に集中する――この一連の流れを作るために、月額15,000円は安すぎるくらいです。
「儲かってから入れる」ではなく、「儲ける構造を作るために入れる」。法人化と同時に税理士を入れる、という選択は、迷っている人にこそおすすめしたい判断です。
法人化のタイミングそのもので迷っている方は、「副業禁止の会社員が2棟目で法人化を決めた、迷ったときの判断軸3つ」も合わせて読んでもらえると、全体像がつかめると思います。
不動産に強い税理士を探している方へ
ネット経由で税理士を探すなら、複数事務所からまとめて見積もりが取れる紹介サービスを使うのが効率的だ。私自身、最初は税理士紹介エージェントのようなサービスで複数の事務所と面談してから、最終的に1人に絞った。無料で相談できるので、法人化の前段階から動いておくと話が早い。
融資・法人化・物件選定を体系的に学ぶなら、ファイナンシャルアカデミーの不動産投資スクールが選択肢になる。無料体験セミナーから参加できる。
さる
副業禁止のサラリーマン大家 / 法人スキーム実践中
30代の会社員。築古戸建で個人購入 → 妻名義法人で2棟目を取得。 法人融資で3棟分契約解除という授業料を払った経験から、 融資・節税・物件管理の「数字と戦略」をリアルに発信しています。
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