アパートローンの金利相場は今いくらか|2.5%から3.75%へ、私が実際に借りた条件を全部出す
アパートローンの金利相場を実額で公開。変動2.5%、変動3.75%、無担保3.5%と、私が実際に受けた3本の融資条件。金利より先に見るべき期間と、交渉して下がらなかった話を書きます。
副業禁止の会社員として本業を続けながら、妻名義の合同会社で不動産を持っている「さる」と申します。
「アパートローンの金利って、いま実際いくらなんだろう」
これを調べたことがある人なら分かると思うが、まともな答えがほとんど出てこない。出てくるのは「1%〜4.5%程度」みたいな幅の広すぎるレンジか、金融機関の商品ページに載っている「年1.5%〜」という下限だけの表示か、あるいは何年前のものか分からない体験談だ。
理由ははっきりしていて、アパートローンの金利は公表されていないからである。住宅ローンと違って店頭表示金利のようなものが存在せず、借り手の属性・法人の決算・物件・担保・その金融機関との関係で、案件ごとに決まる。だから「相場」は、実際に借りた人が自分の条件を出すしか、外からは見えない。
というわけで、私が実際に受けた融資条件を出す。直近のものは2026年9月に出た変動3.75%で、これは承認が出たばかりの生の数字だ。
結論:2026年9月に出た条件は「変動3.75%」だった
先に結論だけ書く。2026年9月時点、私の法人に対して出た条件はこうだった。
- 金利:3.75%(変動)
- 借り手:法人(2期目)・地方の物件・代表は妻・私は会社員
- 自己資金:総事業費に対して約14%
- 金融機関との関係:新規(それまで取引のない先・不動産業者の紹介で接触)
- 打診から承認まで:約2ヶ月
- 交渉:した。下がらなかった。これが天井という回答
案件の中身(何をいくらで買うか)は、取引の相手がいる話なので書かない。ただ、金利相場を知りたい人に必要なのは物件の中身ではなく、いつ・どういう借り手に・何%が出たかのはずだ。そこは全部出す。
一つ強調しておきたいのは、この3.75%は交渉した後の数字だということ。「交渉すればもっと下がるのでは」と思った人のために先に潰しておくと、下がらなかった。ここが上限ですと言われて終わっている。
私が実際に受けた融資条件(3本)
比較できないと相場感にならないので、過去の分も並べる。すべて私の実際の条件だ。
| 借入額 | 金利 | 期間 | 借入先 | 担保 | |
|---|---|---|---|---|---|
| 1棟目(戸建) | 400万円 | 3.5% | 10年 | 信用金庫 | 無担保 |
| 2棟目(木造アパート) | 8,500万円 | 2.5%(変動) | 25年 | 信用金庫 | あり |
| 3棟目(承認段階) | — | 3.75%(変動) | — | 新規の金融機関 | あり |
同じ人間が、同じように会社員を続けながら、法人を作って買い進めた結果がこれである。3.5% → 2.5% → 3.75% と、上がって下がってまた上がっている。
この動きには、それぞれ別の理由がある。
1棟目の3.5%が高いのは、無担保の小口だから。 400万円を担保なしで貸すというのは、金融機関から見れば個人の信用に対する貸付に近い。このとき担保を入れれば金利は下がると言われたが、私は下げなかった。その判断の詳細は1棟目融資で「担保ありで金利を下げる」を選ばなかった理由に書いた。
2棟目の2.5%が一番低いのは、信金との関係を1年かけて作った上での取引だから。 月1で担当者に会いに行き、検討中の物件のシミュレーションを毎回持ち込んでいた(信金と月1で会い続けたら変わったこと)。関係と実績が乗った状態での、担保付きの大口。条件が良くなるのは当然といえば当然だった。
そして3棟目の3.75%。 それまで取引のなかった新規の金融機関で、関係はゼロ。ここが今回の記事で一番言いたいところで、借りる先が変わると金利は簡単に1ポイント動く。
関係のある先と、関係ゼロの先で1.25ポイント動いた
金利相場を調べるとき、多くの人は「不動産投資 金利」で調べる。でも実際に効くのは、その先と自分の間に関係があるかどうかだ。
私の実例で言えば、1年通った信用金庫で2.5%、関係ゼロの新規先で3.75%。同じ借り手、そう遠くない時期、どちらも変動、どちらも担保あり。それで1.25ポイント違う。
信金の2.5%は、月1で担当者に会いに行き、検討中の物件のシミュレーションを毎回持ち込み続けた1年の上に出た数字だった。対して新規先は、私がどういう人間で何を買ってきたかを、決算書と資料からしか知らない。同じ案件でも、相手が自分をどれだけ知っているかで条件は変わる。
これは裏を返せば、いま関係のある金融機関を切らさないことが、そのまま金利の話になるということでもある。
もう一つ、一般論として、借りる先の種類によっても傾向は分かれる。
- 都市銀行・大手地銀 — 一番低いが、法人の実績と物件の質を厳しく見る。新設法人にはまず出ない
- 地方銀行 — エリアと属性が合えば現実的。ただし審査は固い
- 信用金庫・信用組合 — 地域密着。関係構築が効く。私の2.5%はここ
- ノンバンク — さらに高い。ただし期間や築年で融通が利く場合がある
ここで大事なのは、下に行くほど「悪い」わけではないということだ。上で断られ続けた案件が、下で通ることがある。私自身、法人を作ってから5行に当たって8回断られている(法人融資を5行8回断られて通った話)。当たった先は地銀・信金・信組・公庫とばらけていて、同じ種類の金融機関でも、先が違えば結果は違った。
だから「どこそこなら通る」「どこそこだから高い」という整理は、あまり役に立たない。3.75%というのは、その案件をその先が引き受けた結果として出た数字にすぎない。
金利の数字だけを他人と比べても意味が薄いのは、この構造があるからだ。比べるなら、時期・関係の有無・担保・法人の期数まで揃えないと比較にならない。
金利より先に効くのは「期間」だった
相場の話をしておいてなんだが、私の実感では、金利より先に物件の成否を決めるのは融資期間だ。
2棟目のとき、私が買ったのは築13年の木造アパートだった。木造の法定耐用年数は22年なので、残りは9年しかない。多くの金融機関は耐用年数の残りに合わせて期間を切るので、普通なら9年、長くて15年である。
9年で8,500万円を返すと、月々の返済は80万円近くになる。 家賃がいくら入っていようが、この物件は成立しない。
ところが信金が本部稟議まで上げて25年を出してくれた。それで初めて成立した。この経緯は築13年の木造アパートに25年融資はなぜ出たかに書いている。
金利が0.5%下がることと、期間が10年伸びることを比べると、後者のほうが月々のキャッシュフローへの影響は圧倒的に大きい。しかも金利は借りた後でも交渉の余地が残るが、期間は契約時にほぼ決まる。
だから「金利何%が相場ですか」と聞く前に、その物件にその期間が出るのかを先に確認したほうがいい。金利だけ低くて期間が短い提案は、数字の上ではきれいに見えて、実際には手元にお金が残らない。
金利が1%上がると、手残りはどれだけ削られるか
変動で借りる以上、金利は上がる。ここは試算しておく価値がある。
公開済みの2棟目の条件(8,500万円・25年)を使って、金利だけを動かしてみる。
| 金利 | 月々の返済 | 年間の返済 | 2.5%との差(年) |
|---|---|---|---|
| 2.5% | 381,324円 | 458万円 | — |
| 3.0% | 403,080円 | 484万円 | +26万円 |
| 3.5% | 425,530円 | 511万円 | +53万円 |
| 4.0% | 448,661円 | 538万円 | +80万円 |
| 4.5% | 472,458円 | 567万円 | +109万円 |
2.5%が4.5%になると、年間の返済が109万円増える。 月にすれば9万円強だ。
家賃が同じだけ上がってくれるならいいが、そんな都合よくはいかない。9万円は素直に手残りから消える。私の場合、この物件の税引前キャッシュフローが太陽光込みで月21万円ほどなので(利回り10%の実際の手残り)、月9万円というのは手残りの4割が飛ぶ計算になる。
これは他人事ではなくて、私は以前、金利が4%まで上がった場合にポートフォリオ全体の返済余力がどうなるかを試算している(DSCRをポートフォリオ全体で見るようになった転機)。そのとき出した「4%」という数字が、今回3.75%という形で現実に近づいてきた。自分で書いた試算に自分が追いつかれた格好だ。
変動金利で借りるというのは、この表を全部飲むということだと思っている。
交渉すれば下がるのか(2回やって、2回とも下がらなかった)
「金利は交渉すべき」という話はよく見る。私も2回やった。結果は2回とも下がらなかった。
1棟目のときは、無担保3.5%に対して交渉した。返ってきたのは「担保を入れてくれれば下げられる」で、つまり金利を下げる手段は担保を差し出すことだった。無担保のまま金利だけ下げる余地はほぼなかった。私は担保枠を温存するほうを選んで、3.5%のままにした。
今回の3.75%も交渉した。 結果は「これが限界」。
この2回で分かったのは、金利は「下げてもらう」ものではなく、たいてい何かと引き換えになるということだ。担保を入れる、自己資金を増やす、他の取引を持っていく。何も差し出さずに数字だけ下がることは、少なくとも私には起きていない。
だから交渉するなとは言わない。ただ、交渉の前に「何を差し出せるか」を用意しておかないと、話が始まらない。
自分で何行も当たる時間が取れない、断られた理由がそもそも分からない、という段階なら、法人・個人事業主向けの融資相談を無料で受けられる融資代行プロのような窓口に、物件と属性を一度ぶつけてみるのも手だ。私は5行8回断られてから知ったので、先に知っておけばよかったと思っている。
金利の数字だけでは比較にならない
もう一つ言っておきたいのは、表面の金利だけを並べても比較にはならないということだ。
同じ「3.75%」でも、保証料が金利に含まれているのか別途一括で払うのか、事務手数料がいくら乗るのかで、実際に出ていくお金は変わる。変動か固定かでも意味が違う。私が2.5%と3.75%を並べて「1.25ポイント差」と書いているのは、どちらも変動・担保ありという条件が揃っているからで、そこが揃っていない金利を並べても意味がない。
人の金利を見て「自分は高い」と焦る前に、その数字が何を含んだ数字なのかを確認したほうがいい。
いま私が金利を見るときの順番
ここまでを踏まえて、私が融資条件を渡されたときに見る順番を書いておく。
- 期間 — その物件が成立する期間が出ているか。ここが出ていなければ金利を見る意味がない
- 変動か固定か — 変動なら、金利が2ポイント上がった場合の返済を計算する
- 保証料・事務手数料 — 表面の金利に何が含まれていないかを確認する
- 金利の数字 — ここでようやく見る
- 他の先でも当たれるか — 同じ案件でも、借りる先が変われば1ポイント動く
金利を最初に見ないのは、金利が一番動かしにくいからだ。交渉して下がらなかった経験が2回あるので、私はもうここを主戦場にしていない。
よくある疑問
Q. アパートローンの金利は結局いくらが普通なの?
私の実例では、2026年9月時点で新規の金融機関から変動3.75%、その前に1年通った信用金庫から変動2.5%、小口の無担保で3.5%だった。ただしこれは私の属性・法人・物件・関係性での数字なので、そのまま他人に当てはまるものではない。相場を知りたいなら、金利の数字だけでなく「関係があるか・担保があるか・変動か固定か」までセットで見たほうがいい。
Q. 金利が低い金融機関から順に当たればいい?
理屈ではそうなるが、私は5行8回断られている。金利の低い先ほど審査は固く、新設法人や築古物件では土俵に乗らないことも多い。当たる順番より、自分の案件を引き受けてくれる先を見つけるほうが先だと思っている。
Q. 変動金利で借りて大丈夫?
大丈夫かどうかは、金利が2ポイント上がったときの返済に耐えられるかで決まる。上に載せた表のとおり、8,500万円・25年なら2.5%→4.5%で年間109万円返済が増える。この金額を家賃から引いてもキャッシュフローが残るなら、変動で持てるという判断になる。私は今のところ、この計算をしてから借りている。
Q. 新規の金融機関だと金利は高くなる?
私の場合はそうなった。関係を1年作った信金が2.5%、関係ゼロの新規先が3.75%。ただし新規先のほうが引き受けてくれたという面もある。関係のある先で断られた案件が新規先で通ることもあるので、金利の高さだけで良し悪しは決められない。
まとめ
アパートローンの金利相場は公表されていないので、実際に借りた人の数字を積み上げるしかない。私の実例は次の3本だった。
- 無担保・小口(信用金庫):3.5%・10年
- 担保あり・大口(信用金庫・関係1年):2.5%変動・25年
- 新規の金融機関(2026年9月・交渉後):3.75%変動
そして、金利より先に見るべきものが3つある。その物件で成立する期間が出るか、変動の上振れに耐えられるか、表面の金利に何が含まれていないか。
金利の数字を他人と比べて一喜一憂するより、自分の案件を引き受けてくれる先を探すほうが、結果的に条件は良くなる。少なくとも私は、5行8回断られてからそう考えるようになった。
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