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不動産投資の法人化、やって分かった5つのデメリット|それでも私が後悔しない理由
法人スキーム

不動産投資の法人化、やって分かった5つのデメリット|それでも私が後悔しない理由

不動産投資の法人化で実際に直面したデメリットを5つ正直に公開。赤字でも払う均等割、税理士費用、新設法人の融資の壁。それでも私が後悔しない理由も書きました。

不動産投資の法人化について検索すると、メリットの話ばかり出てきます。節税できる、経費の幅が広がる、規模拡大に有利。全部その通りです。私も2棟目の購入にあわせて合同会社を設立し、法人名義で築13年・木造10戸・利回り10%のアパートを持っています。

ただ、正直に言います。法人化にはデメリットがあります。それも「調べれば分かる話」ではなく、実際にやってみて初めて重みが分かる類のものです。

私は法人化そのものは後悔していません。でも、設立前の自分に「これだけは覚悟しておけ」と言いたいことが5つあります。この記事では、不動産投資の法人化のデメリットを、私の実体験と実際の数字で正直に書きます。迷っている人は、この5つを見てから判断してください。

デメリット1. 均等割:赤字でも毎年約7万円が出ていく

法人化して最初に「地味に効くな」と感じたのが法人住民税の均等割です。均等割とは、法人の所得に関係なく毎年定額でかかる住民税のこと。資本金1,000万円以下の小さな法人でも、最低で年間約7万円かかります。

ポイントは「赤字でも課税される」という点です。

個人の場合、不動産所得が赤字なら所得税はかかりません。むしろ損益通算で本業の給与所得から引けるので、赤字が節税に働く場面すらあります。ところが法人は違います。売上がゼロでも、物件が空室だらけでも、法人が存在しているだけで毎年約7万円が確実に出ていく。

「たった7万円」と思うかもしれません。私も設立前はそう思っていました。でも、保有期間が10年なら70万円、20年なら140万円です。個人のままなら払わなくていいお金が、法人という箱を持つだけで発生し続ける。これは法人化の損益分岐点を考えるうえで、絶対に無視できない固定費です。

デメリット2. 顧問税理士が実質必須:年18万円が固定費になる

2つ目は税理士費用です。私は月15,000円、年間18万円で顧問税理士と契約しています。

「個人の確定申告は自分でやっていたし、法人も自力でいけるだろう」と考える人は多いと思います。私も一瞬考えました。結論から言うと、やめたほうがいいです。法人の決算は個人の確定申告とは別次元の作業です。法人税の申告書は別表と呼ばれる書類が何枚も連なる構造になっていて、勘定科目の整理から決算書の作成、申告書の記入まで、片手間の会社員が独学で正確にこなすのは現実的ではありません。間違えたときのリスクを考えると、なおさらです。

私の場合、日々の記帳はスプレッドシートで自分で管理し、決算と申告まわりを税理士に任せる形にしています。それでも月15,000円は「保険料として妥当」と感じています。数字のプロが後ろにいる安心感は、本業を持ちながら法人を回すうえで想像以上に大きい。この顧問料で実際に何を任せているか、税理士の選び方まで踏み込んだ話は「不動産投資で税理士は必要か|月15,000円で顧問契約して気づいた3つの判断軸」に書きました。

とはいえ、年18万円は均等割と並ぶ固定費です。税理士は事務所によって料金も対応範囲もかなり差があるので、法人化を決めたら早めに比較したほうがいいです。私は知人経由で決めましたが、いま探すなら税理士ドットコムのような無料の紹介サービスで複数の見積もりを取って、不動産に強い税理士を探すのが手っ取り早いと思います。顧問料は毎年出ていくお金なので、最初の選定で妥協しないことです。

デメリット3. 設立直後は融資が借りられない

これが私にとって一番痛かったデメリットです。

新設法人には決算実績がありません。金融機関から見れば「何の実績もない箱」です。どれだけ事業計画を作り込んでも、決算書ゼロ期の法人は審査の土俵にすら乗れないことがあります。

私はこれで一度、大きな失敗をしています。法人設立後、3棟分の物件の契約まで進んだのに、融資が下りずに契約解除になりました。原因はシンプルで、設立直後で決算実績がゼロだったこと。売買契約書に判を押して、あとは融資特約の結果を待つだけ、という段階からの白紙撤回です。あのときの脱力感は今でも覚えています。

「法人化すれば融資の幅が広がる」というのは、あくまで決算を重ねて実績を作ってからの話です。設立直後はむしろ個人より弱い。この時間差を理解せずに「法人を作ってから物件を探そう」と動くと、私と同じ轍を踏みます。

その後、私がどうやって法人での融資を通したかは法人融資を5行8回断られて通った話に詳しく書いています。断られる前提で数を打つ覚悟が要る、というのが実感です。

デメリット4. 法人の金は自由に使えない

4つ目は、感覚的なギャップとして一番大きいかもしれません。法人の口座に入った家賃は、あなたのお金ではありません。法人のお金です。

個人名義なら、家賃収入から返済と経費を引いた残りは自由に使えます。生活費に回そうが、旅行に使おうが誰にも文句を言われません。私は個人名義でも築古戸建を450万円で持っていて、家賃5万円・返済4万円で月1万円ほどのキャッシュフローが出ていますが、この1万円は文字通り自由なお金です。

法人は違います。法人のお金を個人に移すには、役員報酬として支払うか、貸付として処理するか、いずれにせよ「設計」が必要です。役員報酬は期首に決めたら原則1年間変えられませんし、貸付には利息や返済計画の整理が要る。「今月ちょっと家計が厳しいから法人の口座から10万円」みたいなことは、できないと思ってください(やると役員貸付として処理が発生し、放置すると金融機関からの印象も悪くなります)。

法人の通帳残高が増えていくのを眺めながら、自分の財布は別、という状態。節税や再投資の観点では正しい姿なのですが、「儲かっているのに使えない」という感覚には慣れが必要です。ここを理解せずに法人化すると、想像していた大家生活と違う、となります。

デメリット5. 副業禁止の会社員は、自分が役員になれない

最後は、私のような属性の人に特有のデメリットです。

私は副業禁止の会社員です。法人の代表になって登記簿に名前が載ると、副業とみなされるリスクがある。だから私は自分が役員にならず、フルタイム正社員の妻を代表とする合同会社にしました。

ただ、これが簡単ではなかった。名義は妻でも、実質的な意思決定は私がしたい。そこで出資比率は妻1:私99、議決権はすべて私に寄せる設計にしました。合同会社は定款(会社の基本ルールを定めた書類)で出資比率と議決権を切り離せるので、この形が組めます。逆に言うと、定款の設計を一つ間違えると「お金は出したのに決定権がない」という状態になりかねない。ここの設計には本当に手間と神経を使いました。

家族名義の法人化は、夫婦の信頼関係が前提になるうえ、税務や登記の論点も個人名義よりはるかに増えます。同じ境遇の人は、副業禁止でも合同会社の登記に名前を出さない方法妻名義の合同会社で法人化した理由を先に読んでみてください。私が悩んだポイントをそのまま書いています。

なお、設立費用は司法書士に頼まず抑えて約15万円でした。いまはGVA 法人登記のようなオンラインの書類作成サービスで登記コスト自体をさらに圧縮できるので、設立費はもう大きなハードルではないと思います。重いのは設立後の固定費のほうです。

結論:年25万円の固定費を「投資」と割り切れるかどうか

デメリットを整理します。

  1. 均等割:赤字でも年約7万円
  2. 顧問税理士:年約18万円
  3. 設立直後は融資に弱い
  4. 法人の金は自由に使えない
  5. 副業禁止だと名義・議決権の設計が必要

金額で言えば、均等割約7万円+税理士約18万円で、法人を維持するだけで年25万円前後の固定費がかかります(設立費の約15万円は初期の一回きり)。これが不動産投資の法人化の、偽らざるコストです。

それでも私は後悔していません。私の法人は1期目から黒字で、売上180万円・営業利益46万円。固定費を払ってなお、法人でなければ取れなかった節税の選択肢と、2棟目・3棟目へ拡大していくための器が手に入りました。個人の高い税率で削られ続ける未来と比べれば、年25万円は「経費」ではなく「投資」だと考えています。

逆に言えば、判断基準はシンプルです。年25万円前後の固定コストを覚悟でき、それを上回る節税と規模拡大が見込めるなら、法人化すべき。私の450万円の戸建のように、月CF1万円の小規模運用で止まるつもりなら、個人のままで十分回ります。

「自分はどっちなのか」を見極めたい人は、サラリーマン大家の法人化タイミング2棟目で法人化を決めた判断軸3つも読んでみてください。法人化は怖くない。ただし、固定費と制約を知らずに飛び込むのだけは、やめたほうがいい。それが2棟目で法人化した私の結論です。

よくある質問

Q. 不動産投資で法人化しない理由として、いちばん大きいものは何ですか? 私の実感では、年25万円前後の固定費に見合う規模がまだないというのが最大の理由です。均等割の約7万円も顧問税理士の約18万円も、持っている物件が1戸でも10戸でも同じように出ていきます。だから月1万円のキャッシュフローで止まるつもりなら、法人化しない理由のほうが圧倒的に強い。私自身、1棟目の築古戸建(450万円・月CF1万円)はいまも個人名義のままです。もう一つ挙げるなら、設立直後の法人は決算実績がないぶん融資に弱いこと。「法人化すれば借りやすくなるはず」と考えて先に箱だけ作ると、私のように契約解除を食らいます。逆に言えば、この2つ——固定費を飲み込める規模と、融資を通せるだけの実績——に目処が立つなら、法人化しない理由は薄くなっていきます。自分がどちらの段階にいるかは、青色申告のまま個人でいくか、法人化するかで数字を並べて比べたので、そちらも参考にしてみてください。

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さる

さる

副業禁止のサラリーマン大家 / 法人スキーム実践中

30代の会社員。築古戸建で個人購入 → 妻名義法人で2棟目を取得。 法人融資で3棟分契約解除という授業料を払った経験から、 融資・節税・物件管理の「数字と戦略」をリアルに発信しています。

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