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1棟目融資で『担保ありで金利を下げる』を選ばなかった理由|400万・3.5%・10年・無担保の判断
融資戦略

1棟目融資で『担保ありで金利を下げる』を選ばなかった理由|400万・3.5%・10年・無担保の判断

戸建てを買うときに信用金庫から400万円・3.5%・10年・無担保で借りた話。担保に入れれば金利は下がると言われたが、登記費用・売却時の手間・担保枠の温存を計算した結果、無担保3.5%を選んだ。1棟目融資で考えるべき判断軸を実体験で書きます。

副業禁止の会社員として本業を続けながら、妻名義の合同会社で2棟目を持っている「さる」と申します。

1棟目の戸建てを買うとき、信用金庫から 400万円・金利3.5%・10年(120回)・無担保 で借りた。今回はこの融資条件をどう交渉して、最終的に 「担保に入れて金利を下げる」を選ばなかった理由 を書く。

「金利交渉は絶対にすべき」「下がるなら下げた方がいい」とよく言われるけれど、私の場合、ちゃんと交渉した上で、無担保3.5%のままを選んだ。後から振り返っても、その判断は正しかったと思っている。

戸建Bを買ったときの融資条件と、金利交渉の話

物件は地方都市の戸建て。価格と諸費用を合わせて、自己資金+信金融資で組み立てた。

信金に持ち込んだとき、最初に出てきた条件はこうだった。

  • 借入額: 400万円
  • 金利: 3.5%
  • 期間: 10年(120回)
  • 担保: なし(無担保)

サラリーマンの属性で、しかも信金との初取引で400万円が無担保で出るというのは、悪くない条件だと思った(信金との関係づくりは別記事信金と月1で会い続けたら変わったことにまとめている)。ただ、ネットで「金利は交渉すべき」という記事をたくさん読んでいたので、当然交渉した。

「もう少し金利を下げられませんか」と聞いた。

担当者の返事は、こうだった。

担保に入れていただければ下がります

つまり、金利を下げる手段は『担保あり』に切り替えることだった。無担保のままで金利だけ下げるという交渉余地は、ほぼなかったということだ。

「担保に入れれば金利下がる」と言われた瞬間に考えたこと

そのとき、頭の中で動いた計算は3つある。

  1. 担保ありにすると、金利でいくら軽減できるか
  2. 担保設定にいくら費用と手間がかかるか
  3. 将来その物件を売るとき、抹消登記にいくら費用と手間がかかるか

担当者からは、担保ありにした場合の具体的な金利数字は出てこなかった(覚えていない可能性もある)。ただ、信金の一般的な感覚として、無担保3.5%が担保ありで2.5〜3.0%くらいに下がるイメージで考えた。

ここから先は紙に書いて計算した。

金利差と登記費用・手間で損益分岐を計算してみた

仮に 金利が3.5%→3.0%(▲0.5%) に下がるとする。

  • 無担保3.5%の総利息: 約74.7万円
  • 担保あり3.0%の総利息: 約63.5万円
  • 利息軽減額: 約11.2万円

仮に 金利が3.5%→2.5%(▲1.0%) に下がるとする。

  • 担保あり2.5%の総利息: 約52.4万円
  • 利息軽減額: 約22.3万円

これに対して、担保設定でかかる費用と手間。

  • 抵当権設定登記の登録免許税: 債権額の0.4%=1.6万円
  • 司法書士報酬(設定): 5〜8万円
  • 将来の抹消登記: 登録免許税1,000円+司法書士報酬1〜2万円
  • 合計: 設定+抹消で6〜12万円

▲0.5%程度の利率軽減なら、登記費用とほぼトントン。▲1.0%下がれば10万円前後は得になる、というのが計算結果だった。

ただし、私はもうひとつの要素を見ていた。

返済回数は変わらないということだ。担保ありにしても期間は10年のまま。借入額も同じ。つまり、担保ありで得られるメリットは、利率の差分だけだった。

期間を伸ばせるとか、借入額を増やせるとか、そういう交換条件はなかった。

担保枠を温存できる選択肢としての無担保3.5%

ここで私が一番重視したのは、「その物件の担保余力を温存する」 という視点だった。

担保に入れずに残しておけば、次の物件を買うときに『追加担保』として差し出せる。融資の世界では、これがかなり効く。

担保余力(共同担保)は、別の融資を引くときに金融機関の安心材料になる。例えば、2棟目のアパートを買うとき、1棟目の戸建てが無担保で残っていれば、「この戸建ても担保に入れる前提なら融資を伸ばせます」という交渉ができる。

逆に、1棟目を最初から担保に入れて金利だけ下げてしまうと、2棟目の融資交渉で使えるカードが1枚減る。

この「カードを温存する戦略的価値」は、目先の▲10〜20万円の利率軽減より大きいと判断した。金利を下げる代わりに、自由度を売り渡しているわけだから。

それと、地味に効くのが 「売却時の手間」。担保を抜く手続きは時間がかかるし、買主側にとっても面倒に映る。1棟目を将来売る可能性を考えたとき、最初から無担保で買っておく方が、出口でも軽く動ける。

1棟目の融資で学んだ「金利だけ見ない」という判断軸

ネット記事を読むと、「金利交渉しないのは情弱」「0.5%下げれば数十万浮く」みたいな話があふれている。それ自体は間違っていない。

ただ、金利は融資の評価軸の1つにすぎないということを、1棟目の融資で実感した。

私の中で、融資条件を見るときの評価軸はこうなった。

  • 金利
  • 期間(償還年数)
  • 担保の有無と担保余力
  • 期日前返済の手数料
  • 売却時の手続きコスト
  • 次の融資への影響(プロパー対応・追加融資の余地)

このうち、金利は短期の総支払額に効くが、担保の自由度は次の融資・出口戦略にまで効く。長期で見ると、後者の方が金額インパクトが大きいケースもある。

「下げられるなら下げる」のではなく、「下げる代わりに何を差し出すのか」 を計算してから判断する。これが1棟目の融資で身についた一番大きい学びだった。


2棟目のアパートを買うときには、この経験がそのまま効いた。担保設定や共同担保の話が出てきたとき、1棟目を温存しておいた選択がカードとして使えた2棟目の融資はどう通したかに詳しく書いた)。

金利だけを見て交渉していたら、戸建Bは早い段階で担保に入って、2棟目の融資交渉はもっとタイトになっていたと思う。

もし今、これから1棟目を融資で買おうとしている人がいるなら、伝えたいのはひとつだけだ。

金利を下げる交渉をする前に、「下げる代わりに差し出すもの」を必ず計算してください。差し出すものが担保なのか、期間なのか、自己資金の追加なのか。それを見ずに「金利下げて」とだけ言うと、後で使いたかったカードを失っている可能性がある。

融資は、その物件1棟だけで完結する話じゃない。2棟目・3棟目までを見据えた一手として、1棟目の条件を選ぶ。これが、私が無担保3.5%を選んだ理由のすべてだ。


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さる

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副業禁止のサラリーマン大家 / 法人スキーム実践中

30代の会社員。築古戸建で個人購入 → 妻名義法人で2棟目を取得。 法人融資で3棟分契約解除という授業料を払った経験から、 融資・節税・物件管理の「数字と戦略」をリアルに発信しています。

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